034.手を繋ぐ




「グレンー」
ふと自分を呼ぶ声につられて振り返れば、向こうから笑顔で走ってくるアレンが見えた。
手をブンブンと振って、嬉しそうに走ってくる。
「アレン」
久々にみるその姿が、なんだか嬉しくて。
何でそんな気持ちになるのか分からないけれど、嬉しいことに変わりはないから。
「グレン、風邪なおった?」
息をきらせながら、それでも嬉しそうにきいてくるアレンにつられて、グレンシールも笑う。
「うん、なおった。今日からまたあそべる」
「ほんと?じゃあ森行こう!うさぎの巣みつけたんだ!」
自然に手をつないで、子供の足でも行ける街から少し離れたところにある小さな森へ。
二人で走っていく。
一つ年上のアレンの手は、グレンシールより少し大きい。
背も少しだけれど高くて。
それがいつもは悔しかったんだけれど。
「グレン」
「なに?」
前を行くアレンが振り返って笑う。
「やっぱり一人じゃおもしろくないんだよ」
「え?」
「うさぎの巣みつけたときも、グレンがいなかったからおもしろくなかった」
だから。
「もう風邪ひいたらだめだよ。グレンがいないとつまんないんだから」
いつもは悔しい、少し大きいアレンの手も。
自分より少し高い、アレンの背も。
気にならなくなるほど、今のアレンの言葉が嬉しかった。



















2004 6 11
に以前の日記に書いたものでした。(現在2005 5 19)
グレンも子供の頃は可愛く「うん」とか言っちゃうんですよ!「遊べる」とか言っちゃうんですよ!!
子グレアレって一応パラレルの分類ですよ…ね?
たまには短く!!

ご精読ありがとうございました。