グレンシールの乗った車がニュージャージー州に渡ったのは、正午を二時間ほど過ぎた頃だった。今日に限って異様なまでの渋滞に巻き込まれてしまったからだ。 それを気にするでもなく窓の外を眺めていたグレンシールは、陰鬱な色に覆われている街並みを見るともなしに見ていた。 地面や屋根は濡れており、それが一層空気を重くしているような気がする。グレンシールの髪や頬を濡らした雨はあれからほどなくして止み、しかし空が薄暗いことからまた降るのだろう、道行く人々は皆傘を手にして歩いている。 やがて街並みが変わって閑静な住宅街になり、歩く人の数も少なくなった。高級な家々が立ち並ぶ通りを更に奥へと車は走る。普通の街中にあっては一際目立つような建物が周りに溢れた頃、贅沢なつくりの門の前でようやく車は止まった。 運転席の窓を開けてクレイがインターホンに呟くとすぐに門は開かれて、グレンシールの乗った車は中に消える。門から屋敷までの道を走り抜けて素早く玄関前まで来ると、既に屋敷の中から数人の男達がでてきていた。 そのうちの一人が停車した車の後部座席のドアを開けると同時に、男達はいっせいに頭を下げる。 「お帰りなさいませ」 「ああ」 幹部の一人であるキルキスの言葉にグレンシールは手をあげて答え、そのまま頭を下げている男達の間を歩いて玄関へと向かう。クレイがそのままグレンシールの後を追うと、出迎えのために出てきた男達のうちの一人が運転席に座って、BMWは車庫へと消えた。 「お帰りなさいませ」 屋敷に入ると更に他の者達の出迎えをうけ、軽く頷く。その中の一人が自然な動きで前に出て、グレンシールは彼女を見つめた。名前をアップルと言い、幹部の一人である。 「つい先程お電話がありました。…華僑の、長から」 瞬間、グレンシールは僅かに眉を顰めた。後ろに控えていたクレイも思わず目を見開く。 「ボスの不在をお伝えしましたら、また後でと言っておられましたが…いかがいたしますか?」 慎重に言葉を選んで話す彼女は、やはり賢い。 そう思いながらも思案していると、バタバタと騒がしい音が聞こえた。視線をあげて見やると熊のような体格の男が慌てて玄関正面にある階段を駆け下りているところで、ちょうど視線が合う。しかしすぐさまそれははずされて、一歩間違えば頭から転げ落ちそうな勢いの男を見てアップルがため息をついた。 「遅すぎるわよ、ビクトール!」 「仕方ないだろ…うおっ危ねえ!」 最後の一段を踏み外しそうになったビクトールだが、どうにか耐えたようだ。不様な格好をさらさずにすんでほっとした彼に、グレンシールの背後から呆れたような声がかかる。 「あれ、今ごろ着いたんですかビクトールさん。もしかしてあの後ずっとボーッとしてたんですか?」 「キルキス、てめえな…後でヘッドロックだからなお前!」 「何でそうなるんですか。ボス、お帰りになられた早々騒がしく申し訳ございません」 「あ、てめ、ずりぃぞ!!」 「いい加減にしなさいビクトール!」 クレイの後に続いて入ってきたキルキスがあまりに平然と言うその様子に、ビクトールは顔をひきつらせた。が、アップルの叱責もあってグレンシールが帰ってきたばかりの今、これ以上何か言うのはさすがにアレだと思ったのかあくまでも聞こえないように舌打ちをして、グレンシールを見やった。 「帰ってきた早々すまねえ。マッシュは元気だったか?」 「いつもと変わらずだ。一人、部下がいたがな」 「部下?」 「マッシュ殿が自分の後にと考えておられるようで、若い男でしたよ」 ビクトールの訝しげな声に、クレイが答える。しかしそれ以上興味がわかなかったらしく、ふーんと返してからビクトールは口を閉ざした。 アップルが、一枚の紙を取り出してグレンシールへと差し出す。 「こちらを預かっておきました」 受け取ったそれを見ると、整った筆跡で番号が書いてあった。電話をかけてきた本人へ直接コンタクトをとれる、専用の。 「変更は?」 「あると仰っていました」 「分かった」 言葉少なに頷いて、グレンシールは幹部達の脇をすりぬけて階段をのぼる。クレイがその後に続いたのを見てから、階下に残っている部下達は各々散らばった。 屋敷の三階にある寝室で、ベッドに腰掛けながらグレンシールは羅列する番号を見つめる。 チャイナタウンでの一件、そしてそれをこちらが怪しんだ頃に連絡。 タイミングが良すぎることは疑っていない。 むしろあっちは、それをすることでこちらの疑いに真実味を増すようにしている。おそらくは、華僑の長の独断で。 「…断裂したとは、考えにくいが」 「ですが、そうでなければ理由がありません」 側に控えたクレイの言葉に、グレンシールは頷く。 あの陳腐な事件はおそらく、断裂した華僑の一部が故意に起こしたのだろう。 それを頂点に立つ人物が利用した。 こちらが華僑の情報源がどこまであるのか、正確なところまでは掴めていないのと同じように、あちらも『猫』に入っていない組織がどこまでなのか、全て綿密には分かっていないのだ。 「馬鹿な奴が、変な考えでも起こしたか」 チャイナタウンを動かせたあたりから、ただの下っ端だけが絡んでいるとは考えられない。 おそらくは、幹部あたりだ。 それも、こちらの力がどこまで入っているのかも把握していないくらいの。華僑の長ならば『猫』に入っている組織と入っていない組織の全てを把握している可能性もあるが、そこらの幹部あたりではそこまで正確な情報は掴めないだろう。否、掴ませないはずだ。 華僑の長である、テオ・マクドールその人が。 グレンシールはあらゆるメディアでよく見る人物の顔を思い出した。 初めて見た時は確か自分が組織に入って間もない頃、彼も今の座についたばかりだった。テレビの向こうにいる人物に鷹揚で力強い印象を受けたが、その手腕は見事だ。裏の世界からみるとそれは更に如実で、それでもその影に陰湿なものが見えないのが不思議だった。ないはずはなく、確かにそこに存在しているのに、テオにかかるとそうは見えないのだ。 それは手腕だけでなく彼自身の雰囲気にもよるところが多いのだと思うが、その彼が、ただの幹部の一人にすぎない者に大事な情報をもらすとは思えない。だからこそ、その人物はチャイナタウンで殺した人間の証拠をさっさと隠滅したのだろう。 その人間が、『猫』の者かそうでないかを見極めることができなかったから。 「もしうちの者だったら全面戦争になる。それは避けたかったんだろうな」 チャイナタウンで殺された証拠はあっても確定づける証拠は全て抹消されている。それだけでは行動は起こさないだろうと思ってのことなのか。 だとしたら、えらく見くびられたものだ。 「………」 グレンシールは浅い息を吐いた。 とりあえず今は連絡をつけることが優先で、考えるのはそれからでもいいだろう。むしろそうなってからが本番だ。 「変更はあるとアップルが言っていましたね」 再度紙に目を落としたグレンシールにクレイが電話を差し出す。それを受け取りながらグレンシールは頷いた。 一度あちらが受話器をとると自動的に番号が変わって二度と使い道のなくなるもの。 羅列の通りに数字を押していきながら、この紙は普通に捨ててしまって構わないんだろうと、最後の一文字を押し終わってから握りつぶして近くのゴミ箱に投げ入れた。それからコールボタンを押して呼び出し音を聞く。 柄にもなく、少し緊張していることは否めない。 グレンシール自身、テオと接触するのはこれが初めてだ。バルバロッサは何度か直接会ったことがあったようだが、少なくとも自分が片腕となってからは一度もなかった。 どんな人物なのだろうかと、そう思った時呼び出し音がきれて、そして。 『…グレンシール殿?』 通りのよい低い声が聴こえた。 前座も何もなくいきなり名を呼ばれたことにも動じることなく、グレンシールは静かに口を開く。 「はい、テオ殿ですね。初めまして」 『初めまして。…先程は突然失礼致しました。相手の女性を驚かせてしまったようだ』 「いえ、少し出かけていたもので。こちらこそ、部下に非礼がありましたらお詫びします」 とんでもない、と決して不快ではない明るい声が伝わってくる。 『大変丁寧に対応して頂きましたよ。ところで、グレンシール殿は中華料理はお好きでしょうか』 「中華料理、ですか」 深みのある相手の声を聞きながら、ふとグレンシールは思い出した。 テオ・マクドールは米名だが、この国の舞台では彼は常にその名前を使っている。表の舞台でも、裏の舞台でも。自分達はこちらの方が発音しやすいからいいが、何故なのかと以前思ったことがあったのだ。 『近々私どもの経営する店の一つがリニューアルオープンするのです。新しい料理も数多く出ますので、是非ご賞味頂けないかと思いまして。いかがでしょうか?』 傍に控えて会話を聞いていたクレイがグレンシールを見た。 目を細めて、グレンシールは頷く。 「それは是非とも、お受けします。中国の方の料理にはいつもいい意味で驚かされるので、楽しみですね」 『そう言って頂けて安心しました。それでは、日時や場所は後日使者を送らせますので』 「ええ。それでは、また」 お互いに、チャイナタウンでのことには触れなかった。それどころか、上辺だけが丁寧な腹の探り合いもない。 回りくどい口上はグレンシールも好まないが、ずいぶんと直接的だ。 元々そういう人物なのだろうかと考えて、相手の人となりを知っているわけでもないのに何故かそうなのかもしれないと感じた。 静かにあちらが切れるのを待ち、プ、とコールボタンを押してクレイに手渡す。 「何を仕掛けてくる気でしょうか」 「さあな。とりあえず、待つしかない」 グレンシールの言葉に電話を受け取ったクレイはただ頷いて、それから静かに部屋を出て行った。音もなくドアが閉められて、グレンシールはそのままベッドに転がる。肌触りのいいシーツに触れた途端、眠気が襲ってきた。目を瞑ろうとして、視界の端にゴミ箱が目に入る。先程グレンシールが捨てた、もう使えなくなった番号が書いてある紙が、あの中に。 自然と、電話越しの声がグレンシールの頭に蘇った。 「…テオ・マクドールか…」 彼は何をする気なのだろうか。 ただ、少なくとも『猫』の敵になることはないのだと。 ほぼ直感的なところでそう思いながら、グレンシールは今度こそ目を瞑った。意識が深くなり、そして深遠に飲み込まれて。 グレンシールは眠りに落ちていった。 クレイが階下に下りると、やんややんやと騒がしかった。 「おらぁキルキス!俺様のヘッドロックをとくと味わえ!」 「…くっ…ちょ、ビクトールさ…!」 先程のお返しというわけだろうか、キルキスの頭を抱え込んでいるビクトールはやけに楽しそうだ。 それを止めるでもなく周りを囲んでいる連中も慣れたもので、まるで子供のようにはやしたてている。唯一その中にまざっていないアップルは既に諦めているのか、少し離れたところでため息をついていた。 「またやってるんですか」 「おうクレイ、さっきの礼をしなきゃなんねえからな」 こちらを見てにか、と笑うビクトールの腕の中では、キルキスが本気で苦しそうな顔をしている。なかなかどうして気の合うこの二人はしょっちゅうこんなことをしているが、とりあえず今までで一番キルキスの表情がやばそうだな、とクレイは静かに判断して、それでも止めに入ろうとはせずに傍観することにした。 案外、クレイ自身もこうやって騒ぐのは好きなのだ。 もちろん自分がキルキスの身になるのは絶対ごめんだが、構成員達が騒いでいるのを見るのは嫌いじゃない。むしろどっちかといったら皆にまじってはやしたてるタイプなのだがしかし、何故か今は、そんな気は起きなくて。 壁際に背を預けてゆっくりと騒ぎ続けている組員達を見ていると、近くにいたアップルが呆れたようにこちらを見た。 「まったく、いつまでも子供なんだから。あなたやボスが止めないのも原因の一つですよ」 「なに、やる時はちゃんとやってるんだから問題ないさ。静かなだけより騒がしい方が楽しいだろう」 「それはそうですけど…」 笑ってただ見つめるだけのクレイに、それでも限度がある、とアップルは浅いため息をついてみせた。真面目すぎるところがある彼女の、その彼女らしい仕草にまた笑って、クレイはいつの間にか立場が逆転している二人に視線を戻す。 「ずっと続けばいいな」 「はい?」 クレイの言葉の意味を悟りかねたのか、アップルは再度クレイを見上げた。 「ずっと、こういう時間が続けばいい」 マフィアの自分達が願うのは変だろうが、それでもこの平和な時間がずっと続けば。 『猫』のNo.2とは思えないほどに穏やかな目をして微笑むクレイの視線を追って、アップルは見慣れた男達に目を細めて。そして。 「…そうですね」 控えめだが、ゆっくりと笑った。 一週間後、グレンシールとクレイはテオの持つ店の一つに来ていた。ニューヨークでも指折りの、最高級の店だ。 「こちらでございます」 見るだけで高級なそれが分かる入口に入ると、グレンシールの顔を見た従業員が頭を下げた。その中の一人、初老の男が歩み出てにこやかに奥へと促す。 一般人の入れぬ廊下は、それでも店内の賑わいが聞き取れて盛況しているのだということが簡単に分かった。広く長い、そして豪奢だが決してそれが過度ではない廊下を歩く。 先頭を歩いている男が振り返って、穏やかに口を開いた。 「ご多忙の最中、我が主人の招待に応じて下さりありがとうございます」 「いえ、こちらこそご招待頂けて光栄ですよ。中国の方の味覚は世界一ですからね」 言いながら、不自然でない程度に口調を和らげた。我が主人と言うくらいだ、おそらくは幹部の一人なのだろう。 「ありがとうございます。今夜はどうぞ、ごゆるりと寛がれますよう」 ありがとう、とグレンシールが言いかけたところで、その男が驚きに目を見開いた。 咄嗟に背後に控えるクレイの気配が鋭くなるのを感じながら、グレンシールは男の視線の先を追う。と、従者を一人連れた少年がこちらを見ていた。 こんなところに何故、とグレンシールが内心で呟いた一瞬後、先を歩いていた男が慌てて少年の方へとかけよっていく。 「様、どうかなさいましたか」 。 その名前に、グレンシールの疑問がとけた。 テオのたった一人の、息子。 「ううん、何でもないよ。そろそろ帰ろうかと思ってね」 「は、そうでしたか」 「そちらの方は?」 漆黒の瞳が、グレンシールを見た。決して不愉快ではない、静かな目。 「こちらは…」 「グレンシールと申します。初めてお会いしますね、殿」 妙に慌てる男を尻目に、グレンシールは静かにそちらに近づいていった。名前を聞いて分かったのか、少年は―――はにこりと笑みを返す。 「『猫』の方ですね。世間知らずなもので、失礼致しました。本日は父の我侭をきいて下さり、ありがとうございます」 澱みのない、完璧な挨拶だ。他の者が言ったら皮肉にしか聞こえないであろう言葉にも、そんな感は受けない。 まだ二十にも満たない少年は外見こそ父親と似ていないが、それでも確実にテオの血をひいている。 「いえ、我々は表舞台には立ちませんので当然でしょう。こちらこそ、お招き頂いて恐縮です」 「そう言って頂けると助かります。父が何を考えてなのか僕には測りかねますが、どうぞ楽しんでいって下さい」 先程も似たようなことを道案内の男に言われたが、この少年とでは大分違うものだとグレンシールは思った。 所詮交わされる言葉は上辺だけのものなのに、何故だかの言葉は素直に受け止められる。すんなりと心の中に入ってくるこれは、父親譲りなのだろうか。 ありがとうございます、とグレンシールが笑みを添えて返すと、はもう一度にこりと笑った。 「それでは、僕はこの辺で。あまり待たせると、後で父に叱られてしまいますから」 後半は冗談ぽく笑い、優雅に礼をするその姿は見事だ。 グレンシール達が歩んできた方へ去っていくの後姿を見つめながら、さすがだなと内心で呟いた。 話し方や立ち居振る舞い、その他もろもろが違う。何よりも、人を惹きつけるそのカリスマ性が。 初対面で、しかもあんな僅かな時間なのにも関わらず、グレンシールは自分が彼に興味を持ったことに気づいて苦笑する。 今はまだ幼い少年だが、いつか彼が華僑の長になったら。 初老の男に案内されるまま足を進めながら、そんなことまで考えてしまう程度には。 そして不意に、が現れた時この目の前を歩く男が慌てていたのを思い出した。が自分達の前に現れて何か不都合なことでもあるのか、しきりに焦っていたのは何故だろう。 「……」 先程のことを誤魔化すようにどうでもいいことを話している男に適当に相槌をうちながら、グレンシールは長い回廊を曲がった。 自分達以外誰もいない長い回廊を音を立てずに歩きながら、はぽつりと呟いた。 「あの人が『猫』の…考えてた人とは大分違ったね」 マフィアのボスというより、テレビの向こう側の華やかな世界の方が似合うのではないかと思うほどの容姿で。 誰が来るのかは聞いていたが、父のような人を想像していただけに名前を聞かなければ分からなかった。物腰も柔らかく、を見つめる切れ長な瞳もただ穏やかで。 そして若い。 マフィアの世界ではの父のテオほどの年でも若い部類に入るのに、あのグレンシールは更に十歳以上若いはずだ。 その若さで『猫』のボスに立つなんて。 「すごいな…」 グレンシールの後ろに控えていた男性は、片腕のクレイだろう。見た目はわりと飄々とした感を受けるが、その意識はグレンシールと周りに油断なくむけられていた。彼もまた若い。多分グレンシールと同じくらいのはずだ。 そこまで考えて、は後ろを歩く従者―――青年が一言もしゃべっていないことに気づいた。振り返るとその視線は床にむいており、だが床を見ていないことは明らかで。 「どうしたんだい?」 立ち止まって声をかければ、ようやく青年は気づいたのか床から視線をあげて。の顔を見て、我に返ったように目を大きく見開いた。 「…え、あ…いえ、何でもありません。様」 「そう?」 慌ててそう言う彼が言葉通りではないことは、分かりやすいほどに分かるのだけれど。 何だろうと思いつつも、はそう言うだけに留めた。色々と突拍子なことを思いつく彼だ、また何か他人が思いつかないようなことを思いついたのかもしれない。 自分の言葉に頷く彼を見て、そんなことを考えながら再び歩き出す。 「じゃあこのまま帰ろうか。父さんには元々先に帰ってていいって言われてるんだし」 「はい、そうですね」 今度はちゃんと返事が返ってきて、とりあえず悩んでいるのではないんだなと安心して。気づけば一般客用フロアのすぐ横にある回廊にまで来ていたらしい、人の賑わいががやがやと聞こえてくる。 だから、後ろを歩く青年の呟きをは聞き逃した。 「あの人が『猫』の……」 が先程言ったのと同じ言葉、しかしそこに含まれる意味が明らかに違うもの。 青年は―――アレンは、ゆっくりと呟いて少年の後を追った。 2004 9 9 一話目を始める所を間違えたと今更ながらに痛感してます。 グレンシールと坊が廊下で会うシーンも書きたかった場面の一つなので、二人の会話シーンは打っていてとても楽しかったです。 ご精読ありがとうございました。 |