元拍手お礼文一つめの続きですので、まずはこちらをご覧下さい。









「あ・アアっ―――!!」
言うと同時に、一気に奥まで突き入れた。
幸村が達し、その刺激できゅうう、ときつく締め付けられ、酷だと分かってはいたがそのまま激しく腰を使う。案の定、達したばかりでより鋭敏となった中を激しく蹂躙された幸村は泣き叫んだが、しかしその泣き声も充分に欲に濡れていて。
幸村が好む、中を抉るように動けばまた締め付けがよくなった。
 いい感度だ。
何度でも中に放ってしまいたくなって、どうしようもない。
「ん・ンッ…ひぅっア!さ・すけっ…」
「イったばかりなのに、またこんなに濡らせて。…淫乱だね、旦那」
「あ・ちが、……んっ!」
責めるようなことを言えば、途端に熱く締め付けられる。軽い被虐嗜好がある幸村は、自覚してはいないだろうがこういうのを好むのだ。
 懸命に否定しようとして、しかしそこを突き上げられてもっとと強請る幸村は本当に。
「…エロい、よね…っ」
「っ…、…!」
しかし突如として佐助の耳を心地よく刺激していた声が途切れて、おやと幸村の顔を覗き込む。涙をこぼしながらもきつく目を瞑り、その口元を自らの両の手のひらで覆っていて。
 その様からすぐに幸村の心情を理解した佐助は、ゆるりと笑った。
 あまり表面化することはないが、幸村は意外と気が強い。俗に言う言葉攻めを重ねられ、大人しく受けるのはさすがにその気の強さが許さなかったらしく、小さな、しかしわざわざ言わなくとも明確に反抗だと分かるそれをやることで抗議したつもりなのだろう。
 甘えてくれはしても従順にはならない、そんな幸村らしさに更に愛しさが増す。
だが、同時に思うのは。
「俺様を困らせるにはまだちょっと、甘いかな。旦那」
降ってきた言葉が意外だったのか、今の自分の状況も忘れてきょとりと目を瞬く幸村はまるで分かっていない。
 ―――自分のやったことが抗議どころか、こちらを煽る以外のなにものでもないことに。
「…っあ・…!?」
貫いていた自身を引き抜いて、幸村の下肢を横に倒す。その際に僅かに手のひらが幸村の口からずれて、小さな声が漏れた。すぐに気付き再度覆われたが、次に外れた時には。
それを思うと、湧き立つ心が抑えられなかった。
 右脚を下にする体勢に何事かと目を見開く幸村には笑って、左足首を掴んで自身の左肩にのせた。そしてゆっくりと、身を沈ませて。
「っ、!…っ…」
先端が再び幸村の内へと入っていく。
常ならば聞ける声が耳に届かないのは残念だが、それもまた後のためと思えば愉悦が胸の内に広がった。
 声無くして震える様も、なかなかにそそられるのだし。
「…、……ふ…っ」
いつもとは違う、体を横に倒した状態で中を抉られるのは初めてだからだろう。腰を進めていくたびに過剰に体が跳ねる。口元を両の手のひらで覆っている顔は真っ赤で、肩や腕は震えていて。
その様子に目だけで笑い、じりじりと自身を押し進めていく。幸村の中が佐助自身を取り込もうとしている動きに煽られながら、最後は狭い中を強引にかきわけて全ておさめた。
「んぅっ…!!」
途端幸村の体が大きく跳ねて、覆っているはずの口からもしっかりと聞き取れるほどの声がもれた。―――それまでも佐助の熱が中を進むたびに僅かに跳ねていたが、明らかにはっきりとしたその震えに佐助は口元を緩める。
 そしてさらりと、既に息の荒い幸村をいたわるように頭をなでて。
「ねえ旦那、気づいたよね」
 いつもよりも感じてること。
そう囁けば、潤んだ瞳に訝しげな色をのせて見上げられる。何故わざわざそんなことを、といった感がありありと読み取れて、しかしふと自分の立場、というよりは状況に気づいたらしい。
 みるみるうちに顔が青くなる様は、こちらからすれば面白い以外の何でもなくて。
「っ…!」
幸村が逃げを打とうとするが、予想はしていたので簡単に押さえ込む。そのせいで幸村の内におさまっていたそれが少しずれて、テーブルの上に組み敷いた体が跳ねた。普段よりも更に良いその反応に、幸村の顔が強張る。
「旦那はさ、抵抗のつもりで口押えてるんだろうけど」
肩に乗せた左足首を掴んで固定する。
口元は手のひらで覆ったまま、縋るように見上げてくる幸村ににっこりと微笑んで。
「俺様、そういう可愛い反抗は大好きなんだよね」
 そして一気に、奥まで埋まっていたそれを引きぬいて突き上げた。
「―――っ!!…、…!」
声なき悲鳴がキッチンに響き渡る。幸村の体が大きく跳ねた。
ぎゅ、と目を閉じて耐えている様は必死で、しかしだからこそ余計に、その手のひらを外させたくなって。
 どんどん膨れ上がる嗜虐心に、佐助はつい苦笑する。
明らかに常よりも感度が増しているのは確実で、だからこそ幸村が自分で口を閉じている今、この体位で進めたのだ。
普通に啼かせるよりも、充分に昂らせて追い詰めてから無理やり啼かせる方が、ずっと愉しめるから。
悪い癖だとは思うが、幸村を相手にするとどうも己を抑えられない。他の人間だったならばいくらでも相手の好みに合わせられるのに、それだけ幸村に惚れきっているからだと言えばまさしくその通りだが、幸村本人からしたらたまったものではないだろう。
 分かっている上で、それでも少しは自覚してくれと言いたい。
「っ!…、ん…っ」
唐突に、胸に手を這わせて突起を指で摘んでやる。中を抉られている今、敏感となった体で尖りきったそれを弄られるのは辛いのか途端に閉じられていた瞼が開いて睨まれた。しかし反応する自身を抑えるのは不可能で、刺激してやるたびに反り返った幸村自身から先走りが溢れて。
 強く見つめてくる眼差しや辛そうに震える幸村自身の様に、ぞくぞくと背筋に痺れのようなものが走る。
「…だから、そういうのが駄目なんだって…っ、旦那」
幸村のことが愛しくないわけがないし、こんなことをせずに普通に感じさせてやりたいとも思う。
相手を喘がせたいと思うのは男なら誰しもだろうが、しかしそれを自ら煽るようなことをしてくれるのは幸村だ。いちいちこちらの嗜虐心を煽ってくれるようなことをするから今みたいな状況になるのであって、これはもう幸村の自業自得と言ってしまってもいいような気がする。実際、幸村が自分の口を塞ぐなんてことをしなければあのまま終わらせていたのだから。
「っぅ!……んぅ…あ…っ!!」
途切れ途切れに、聞きなれた声が漏れ始める。
慌てて再び覆われるがこちらが動く度に手がずれて、段々とその間隔が短くなっていって。
「っ…、ぁ…ぅ、んっ!!」
テーブルが音を立てる。幸村の目からは涙が流れて、両の手のひらが少しずつはがれていく。
浅く深くを不定期に繰り返しながら、佐助は不意に腰の動きを止めた。
「ぁ、ふ…っあ、……?」
突然身の内を穿っていた熱が止まったから、反射的に幸村がこちらを見上げてくる。息が荒いまま、分かってはいたがそれでも口元から手のひらを外さない幸村にどうしようもなく嗜虐心がかきたてられた。
「っ!…、ん…っ」
掴んでいた足首を離して、今度は幸村の左脚を左腕のみで抱きしめる。互いの体が密着し、更に奥深くまで幸村の内を抉った。
「これで旦那は、自由に腰使えないでしょ?」
今までも好きに使えたわけではないが、左脚を拘束されれば更にその動きは制限される。その意味を瞬時に悟って目に静止の色が生じるが、それをきいてやるつもりはもちろんない。
 ぎりぎり先端のみが埋まっている状態まで、腰をひいて。
「―――っああぁあ!!」
今度こそ奥の奥まで届いた。そう確信できる一段と激しい締め付けに眉根が寄る。
「あ・やぁっ!…ひっ…佐助、佐助!」
その勢いを失わずに激しく律動をし始めれば、もう幸村は声を抑えるということも忘れてしまったかのように激しく啼いた。いつもと違う角度で奥まで抉られるのがたまらないらしい、幸村自身から溢れている先走りは普段と比べようがないほどだ。きついほどの締め付けに、こちらまで耐えるのが難しくなってくる。
「……旦那、…声いい、の…?」
「あ、あ!……、っ」
それでもなけなしの理性でどうにか言うと忘れてはいなかったらしい、咄嗟に手を口元に持っていこうとしたところでしかし強く突き上げた。
「ひぁ!…や・や……っも、むりぃっ…」
一際高い声があがる。更に小刻みに腰を使えば、首を振って小さく訴えてきた。
こちらを睨む余裕もないのか一心に声を上げ続けて、ああもう可愛くて仕方がなくて。
 一体自分はどれだけこの人に惚れてるのかと、それは自嘲したくなるほどに。
「っ、は…、だ、んな」
「んぅっん!や・や………で、るっ…!」
「…ん。いい、よ…っ」
左足を抱え込んだ腕の力を強くする。襲い来る快感の波から逃げられないように、力をこめて。
「あぅ!あ、あ・……っや・ァ…―――!!」
「っ、く…っ!」
幸村が果てるのと同時に、中が激しく収縮する。搾り取られるような締め付けに耐えられない。
 白んでいく意識のまま、幸村の中に欲を放った。





















2008.8/25(公開日9/14)
一番肝心なところを書いてなかったなと思い至ったので。
破廉恥祭り一日目は普通の破廉恥で飾ってみました!

ご精読ありがとうございました。